『絶望名人カフカの人生論』 フランツ・カフカ 頭木弘樹(編) -飛鳥新社-
将来にむかって歩くことは、ぼくにはできません。
将来にむかってつまずくこと、これはできます。
いちばんうまくできるのは、倒れたままでいることです。
バルザックの散歩用ステッキの握りには、
「私はあらゆる困難を打ち砕く」と刻まれていたという。
ぼくの杖には、「あらゆる困難がぼくを打ち砕く」とある。
共通しているのは、「あらゆる」というところだけだ。
などなど
面白かった。
落ち込んだ気分の読者も、ネガティブ思考の達人カフカのあらゆる事への悲観ぶりを見れば、何もそこまで悲観する事はないだろうと、少しおかしくなってくるのではないかという趣旨の本のようだ。
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『城』 フランツ・カフカ(著) -白水社-

面白い!
しかし、読みにくい..。
まず、「城」とは何なのか..であるが、
登場人物それぞれについても、これは何なのか..と考えると、いろいろなものが当てはまる。
「城」は、大きなものになぞらえてもいいし、小さなものになぞらえてもいい。
「城」を「不条理」と捉える向きもあるようだが、「不条理」こそ「普遍」だと思うので、私の場合「何か普遍的なもの」を色々当てはめたい。
中盤までかなり読みにくいが、終盤何かに向けて物語が集約されてきて、その行き先が気になり読むペースが上がるが、いきなり、「中断」と言う形で終わる。
おまえが課題そのものであって、どこにも生徒などいない
おまえが課題そのものであって、どこにも生徒などいない (カフカ)