『過去と未来の国々 ―中国と東欧―』 開高健(著) -光文社文庫-

面白かった。
これはちょうど国内が安保闘争の真っ只中での訪問。
読んで最初に驚くのは、当時の中国の(政治的に演出された)世論は、「偉大日本人民万歳」であったことだ。
これはどういう事かというと、基礎部分に「反米」があり、安保闘争により反米/離米の意思を示した日本人を好感し応援するものだった。
現在の中国での反日感情の説明でよく聞かれる例が「中国共産党は反日/抗日をその出発点としているので、中国共産党がある限り、中国は反日であり続ける」というものだが、そうとは限らないようだ。実利によりどのようにも変化するのだろう。
思ったのは、中国は民族的に絶対悪の存在が必要で、1960年前後はそれが米国、現在は日本なのだろうと言う事。
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