『21世紀維新―栄える国と人のかたち』 大前 研一 (文春新書)

ちょっと感想:
まず最初に、この本、少し古い。9・11以前、小泉以前に書かれたものです。
周知の通り、9・11の前と後では、世界はずいぶん変わった。
また小泉前と小泉後(まだわからないが)もだいぶ変わるだろう。
その為、若干、現状との相違があるが、まぁこの著者の描く今後のストーリは「こんなところだろう」と同意できる。
この本で言う21世紀維新とはサイバー・スペースとリアル・スペース、両方を取り込み成功しよう!というところか。
この本でもそうだし、最近の他の本でもそうだが、現在は米国の一人勝ち、しかし米国は間もなく衰退するように考える人が多いようだ。
この本での”その”ストーリーは「何かのきっかけで皆がドルを売りユーロを買うことで、ドルの大暴落が発生し..」という感じ。
著者が言うには(まぁその通りなのだろうが)、今、日本人以外は、大体が自国通貨以外の預金を持っていて、それはドル。ブラジルでも中国でも東欧でも、皆自国通貨よりドルを信頼している。それがドルが少し怪しくなり、ユーロがなかなか良さそうだとなれば、「では今もっているドルの半分はユーロにしよう」という事になる。米国が他の国ならハイパー・インフレになるくらいドル紙幣を印刷してもインフレにならないのは、刷ったドルは殆どが他国にわたり、米国には戻ってこないから。それが出回った紙幣の半分も戻ってくる事になれば大変なことになり、ドルは大暴落.....という事らしい。
ほかにもいろいろ書いていたが、感想はまぁこのへんで。
この本では殆ど経済面からしか世界を見ていないが、9・11以降、経済だけでは世界は考えられなくなってきている。
イスラエルがあそこにあるのが問題ですねー。
さて日本はどうなるのかナ。
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