『龍馬』 津本陽 (角川文庫)

ちょっと感想:
いやー、なかなか面白かった。
司馬遼太郎の「竜馬がゆく」との違いにが気になっていたが、予想通り「竜馬がゆく」が痛快な面白さを追求し、竜馬をどこまでも快男子として描いているのに対し、「龍馬」は史実の積み重ね/実証を追求しているように思えた。
その為、記録が少ないと思われる、龍馬の青年時代は津本氏の作家としての想像力が発揮され、読んでいて面白い。
反面、歴史が下るにつれ、龍馬はその時代の重要人物になっていき、龍馬自身の手紙以外にも、当時の多くの人物の日記に龍馬が登場し、それらが数多く引用され、候文が多いため、少し読みづらくなる。そして後半は手紙、日記、その他数多くの資料を引用しながら、それらの間をつなげるように、津本氏が説明を入れたり若干の想像を入れたりし、ひたすら史実を忠実に再現しようとし、ここが読みづらくもあるけど、面白いところでもあった。また龍馬の快男子とは言えない面も多く紹介され、「竜馬がゆく」より、こちらの方が実際の龍馬像に近いだろうなと思われた。
ちなみに小説として勝手に点数をつければ、
「竜馬がゆく」 総合10点
「龍馬」 総合8点
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津本陽の「龍馬」
今読んでるのは、津本陽の「龍馬」。まだ第一巻ですが。
龍馬といえば司馬遼太郎の「竜馬がゆく」がある。
これが非常に面白く、この「竜馬がゆく」を読んで、龍馬ファンになった人も多いのではないか。
そして、津本陽の「龍馬」を読む人の6割から7割は、既に「竜馬がゆく」を読んでいるのではないかと思う。そして津本氏もそう考えたと思う。
後から書く以上は「竜馬がゆく」より面白いものを書かなければいけないというプレッシャーは当然あったと思う。
それを踏まえ、この「龍馬」はかなりいい線を行っている。
しかも「竜馬がゆく」執筆の頃には知られていなかった内容など、また司馬遼太郎とは違った解釈や味付け人物像にも期待できそう。
と言うわけで、かつて読みかけの「竜馬がゆく」がカバンに入っていた時と同じように、今、毎日が楽しく、通勤も新快速が来ているのに、わざわざドンコに乗ったりして、ゆっくり読んで、非常に楽しい!!
それでは、もう少し続きを読もうかな...