『ナチの亡霊(上,下)』 ジェームズ・ロリンズ(著), 桑田健(訳) -竹書房-

まぁ良くも悪くも期待通りであった。
感想としては=面白かった=となるのだが...
この種の本を命名すると「ハリウッド型小説」と言えるのではないかと思う。
ハリウッド映画の良い所、悪い所がそのままあてはまる。
読んでると非常に面白いのだが、同時に「コレはヒットさせるために書かれた本」と言う印象を受ける。
また、映画化までを見通して書かれているような気がする。
となると、これは個人ではなくどこかの企業なりが組織的に金儲けのために作ったのではないかとまで考えてしまうが考えすぎかな?
色々な理屈(理論と言うべきか)や、史実を背景に物語が組み上げられていくのは、「ダ・ヴィンチ・コード」以来の流行。これはそれなりに、というか、まだしばらくは、かなり面白いと思う。
「映画化までを見通しているように思う」というのは、場面場面の映像を明確に記述している点で、ストーリーと同時に映像的(視覚的)な面白さもかなり考慮されていると思う。またその考慮が映画セットや今のCG技術で実現可能な範囲内に収まるよう考慮されているように感じるのだが...。
もうひとつ気になるのが、「くだらないジョークが多すぎる」と言う点。
この種のジョークは米国人が好むのだと思うけど、米国人もこの本のジョークは下らないと思うんじゃないかな?こういうのは「ここ」と言う要所でパチンと聞かすから面白いので、この本ではあまりに多すぎる。
本の後半は、この種のジョークが出てくるたびに、自分の首の周りをかきむしりたくなるほどの不快感を覚えた。
あと、これも米国人の作家に多いのだが冗長な表現が多く気になった。
感想としては「面白かったけど気に入らない..」かな。
同じストーリーで別の人が書いたら、もっと面白いかも。
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