『八日目の蝉』 角田光代(著) -中央公論新社-

内容には共感できる気もするが、こんな事に共感していいのか?という気もする。
「共感」を引き出すのは書き方次第なので、この内容に共感できるのかとか共感して良いのかと言う事にはこだわらず読んだ方がいいのだろう。
人間一人ひとりは、一皮剥げばもっと深くドロドロしてネチネチちているものだと思うので、
前半は乳児誘拐犯が主人公、後半はその誘拐された子供(数年間誘拐犯に我が子として育てられた)が主人公..というこの本のようなストーリーだと、
その深いドロドロネチネチが無いと言うのはかなり物足りないように思った。
と読者として勝手なことを言うが、書く方の立場で考えると「深いドロドロネチネチ」を書くと言うのはかなり難しくて勇気がいるのではないかとも思う。たとえ書いている話がフィクションでも、その登場人物の「深いドロドロネチネチ」を書けば、それは書き手の中にある「深いドロドロネチネチ」を衆目に晒すようなもので、私ならそんな勇気は無いかな。
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